第1話
世の中の出来事は、ぶっちゃけてしまえば、大まかには三つに分かれる。
どうでもいいこと。
どうにかできること。
どうにもならないこと。
この三つの出来事のうち、「どうでもいいこと」と「どうにもならないこと」は結構多い。ていうか、ほとんどがこれだ。
残った「どうにかできること」なんてたかが知れている。
でも、世の中はこれよりもう少し複雑にできていて。実は、この三つとは違う次元に属するものとして、「どうにかしたいこと」というものも存在している。そして、その「どうにかしたいこと」というものは、たいていの場合、「どうにもならないこと」のカテゴリーに含まれていたりする。
でもたとえば、今、「どうにかしたいこと」なのに「どうにもならないこと」を抱えていたとしよう。そして、それをどうしてもどうにかしたいとしよう。もしそうならば、そこにはきっと、たとえば一丁のピストルと一発の銃弾のような、現状を根本から覆すような、圧倒的な何かがなくてはならないはずなんだ。
と、ここまでのくだりは、俺こと今宮浩紀(いまみや・ひろき)としては、幾度となく、誰彼となく口にしてきたことだ。
もちろん、これはあくまでたとえでのことであって、現実にそうなればいいのに、なんて思ったことは一度としてない。いや、少しくらいは思ったことはあるけど、心より願ったことはない、つもりだ。
なぜ、こんなにもくどくどと言い募るのかというと、今、俺の目の前に、たとえでも冗談でもなく、本物の一発の弾丸が込められた一丁のピストルが目の前にあるからだ。
それじゃあ、話を始めよう。
俺と、一丁のピストルと、一発の弾丸をめぐる話だ。

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